訓練性能とは?賢さとの違いを知ろう
犬選びの際によく耳にする「訓練性能が高い犬=初心者向き」という考え。

訓練性能とは、コマンドへの反応や作業意欲の高さを意味し、確かに教えたことを素早く覚える能力に優れています。
しかしそれは「人の指示に敏感で、仕事を欲する犬」という意味でもあり、初心者にはかえって扱いにくいケースもあるのです。
特にボーダー・コリーやジャーマン・シェパードなどは、高い知性と集中力を持ちながら、明確な指示や一貫性がなければ混乱したりストレスを抱えたりする傾向があります。
訓練性能が高いからこそ、飼い主にもそれに応える理解力と日々の刺激が求められるのです。
訓練性能が高い犬種
訓練性能が特に高いとされる犬種を5頭紹介します。
しつけやすさを重視したい方におすすめです。
ボーダー・コリー
知能も運動能力も抜群で、あらゆるドッグスポーツに適しています。
しつけの入りが早く、複雑な指示も覚えられるため、初心者でも指導次第で扱いやすくなります。
ボーダー・コリーの飼い主様は、アジリティをしている方が多いです。
その理由は、ボーダー・コリーは元々牧羊犬なので、「仕事がない」「体を思いっきり動かせない」という状況だと、かなりのストレスになってしまい、飼うことが難しくなるからです。
プードル
特にトイプードルは家庭犬として人気ですが、実は非常に頭が良く訓練性能も高い犬種です。
しかし、知的好奇心が強いため、放置されると精神的に不安定になる場合も。
ジャーマン・シェパード
警察犬や介助犬としても知られており、人の指示に忠実で柔軟な対応力がある犬種です。
この犬種は、信頼関係が築ければ最強のパートナーになりますが、繊細さと厳格な訓練が要求されます。
ラブラドール・レトリーバー
明るく温厚な性格で、人と協力することを好みます。
指示に従う力が強く、家庭犬・作業犬の両方で高い評価を受けています。
友好的で家庭向きにも思えますが、実際には非常にエネルギッシュで訓練意欲が高いタイプ。
体力・知識共に備えておく必要があります。
ドーベルマン
警戒心が強く、指示に忠実な優秀な作業犬です。
しかし、飼い主のリーダーシップが弱いと反抗的になるため、初心者には扱いづらい面もあります。
現在は温和で大人しい遺伝子を持つ両親で子犬を産ませ、しっかりと親犬の元で犬のルールを教え込んで、販売しているブリーダーさんもいます。そういったブリーダーから譲り受けると初心者でも飼いやすい子に巡り合えます。
訓練性能が高いとしつけがスムーズ
訓練性能が高い犬は、言葉やジェスチャーなどの指示を素早く理解しやすいため、しつけのスピードも速く、集中して取り組むことができます。
たとえば「おすわり」や「待て」などの基本的なコマンドをすぐに覚え、繰り返しのトレーニングにも疲れを見せず、むしろ楽しんで行います。
そのため、犬飼いの人にとってもストレスが少なく、しつけの成功率が高くなります。
ただし、訓練性能が高い犬は「飽きやすい」一面も持っているため、しつけの内容にバリエーションを持たせることが大切です。
訓練性能が高い犬を始めて飼う人は、訓練所に出すほうが良いです。
また、飼い主様ご自身も、犬を扱う為の上級スキルが必要だということも覚えておきましょう。
初心者が見落としがちな「高性能犬」の落とし穴
訓練性能の高い犬は、確かに「教えればすぐ覚える」「しっかり作業する」魅力がありますが、それは裏を返せば「放置できない」「退屈に弱い」という側面を持ちます。
たとえば、仕事を与えられないときに家具をかじる、穴を掘る、無駄吠えが増えるといった行動が見られることも。
これは、精神的なエネルギーを発散できず、問題行動に表れてしまうからです。
初心者が「賢い犬なら楽だろう」と考えて飼ってしまうと、思っていたよりも手がかかり、後悔してしまうケースも少なくありません。
犬の能力に頼りすぎず、自分の生活スタイルと知識に合った犬種を選ぶことが大切です。
訓練性能が高い犬に必要なのは「指導力」
訓練性能が高い犬は、常に「次は何をすればいいのか」を考えています。
そのため、指導者である飼い主に求められるのは、明確な指示と一貫したルールです。
高性能な犬ほど、自分の力を発揮する「仕事」がないと不安定になりがちです。
初心者にとっては、日々のしつけや運動、遊びの工夫など、想像以上の負担になるかもしれません。
高性能犬は「上級者向け」と心得よう
訓練性能が高い犬は非常に魅力的ですが、それは単に「賢い犬」という意味ではありません。
犬の性格や本来の役割を理解し、それぞれに合った接し方やトレーニング方法を選ぶことが大切です。
特に、作業が好きな犬種には、積極的にトレーニングやタスクを取り入れることで、より健康で満足度の高い生活を送ることができます。
初心者が安易に選ぶと、犬の能力に応えきれず、お互いにストレスを抱えることになります。
まずは飼いやすい犬種で、犬との生活の経験と犬を扱うスキルを積み、犬との生活リズムやしつけの基本を身につけてから、高性能犬にチャレンジするのが理想的です。
絶対に初心者にはダメということではなく、子犬のうちから飼い主様も一緒に訓練所に通い、飼い主様のスキルを上げつつ、成長していくことも可能です。
ただし、飼う前に訓練費やドッグスポーツに参加する金銭面もきちんと考慮しましょう。
預かり訓練について
預けて訓練できる?というお問い合わせはとても多く、答えは「YES」です。
ですが、飼い主様に扱うスキルがなければ、お家ではストレスが溜まって手のかかる子になってしまいます。
訓練性能が高い犬種に限った事ではありませんが、まずは人間がしっかりと犬という種族を知りましょう。
コメント