犬の面白い習性や行動には、私たち人間には理解しがたいけれど、彼らが持つ本能やコミュニケーションの表れであるものがたくさんあります。
尻尾を振る意味は「嬉しい」だけじゃない!
犬が尻尾を振るのは「嬉しい!」という感情の表れだとよく言われますが、実はそれだけではありません。
尻尾の位置、振り方、速さによって様々な感情を表現しています。
- 高く、速くブンブン振る
最高の喜びや興奮、遊びへの誘い。 - 水平に、小刻みに振る
警戒心や好奇心、どうしていいか迷っている状態。知らない場所や犬に出会った時に見られます。 - 低く、ゆっくり振る
不安や服従の気持ち。 - 股の間に挟む
恐怖や強い不安。
尻尾は犬にとって、体のバランスを保つための舵取り役でもあり、感情を伝える大切なコミュニケーションツールなのです。

しっぽの振り方は皆様もよくご存じだと思います。
散歩中に地面の匂いを嗅ぎまくる「クン活」の秘密
散歩中、犬が地面の匂いを執拗に嗅ぎ続ける「クン活」は、飼い主にとっては「早く進んで!」と思うこともありますよね。
でも、これは犬にとって非常に重要な行動です。
- 情報収集
人間が視覚で情報を得るように、犬は嗅覚で膨大な情報を得ています。
地面の匂いを嗅ぐことで、そこにどんな犬がいたか、性別、年齢、健康状態、さらには感情まで読み取っていると言われています。
まるで「匂いの新聞」を読んでいるようなものです。 - ストレス発散
匂いを嗅ぎ、それを分析することは、犬にとってかなりの集中力と頭を使います。
この情報処理がストレス発散にも繋がり、脳の活性化にも役立ちます。
愛犬が匂いを嗅いでいる時は、できるだけ邪魔せずに、思う存分「クン活」させてあげるのもストレス発散です。



「クン活」も犬にとっては大事なストレス発散なんだよ!
でも、拾い食いには気を付けてね
ソファや床を掘る仕草の謎
室内で飼われている犬が、ソファやクッションを掘るような仕草をすることがあります。
これは、野生時代の本能が残っているためです。
- 安心できる場所作り
野生の犬は、外敵から身を守るために穴を掘って巣穴を作り、安心できる寝床にしていました。
現代の犬も、眠る前に自分の気に入る形に整えたり、周りの匂いを舞い上がらせて安心感を得ようとします。



安心できる場所作りは、アルクのお姉ちゃん犬もよくやってます(笑)
- 大切なものを隠す
おやつやおもちゃをもらった後に掘る場合は、「大切だから隠しておきたい」という気持ちの表れです。
これは、食べきれない食料を土の中に埋めて保存していた野生時代の名残です。 - 狩りの名残
野生の犬は、土の中に潜むネズミなどの小動物を捕まえるために穴を掘っていました。
あちこちを掘るのは、獲物の気配を感じている可能性もあります。
人の顔や手を舐める
犬が飼い主の顔を舐める行動も、様々な理由が考えられます。
- 愛情表現と信頼
犬にとって、顔を舐めることは愛情や信頼を示す大切なコミュニケーションの一つです。
群れで生活する社会性の強い動物なので、絆を深めるためにこの行動をとります。 - ごはんが欲しい
お腹が空いている時や、おやつをねだる時にも舐めることがあります。 - 遊んでほしい
「一緒に遊ぼう!」と誘っているサインの場合もあります。 - 匂いに引き寄せられる
犬は嗅覚が非常に優れているため、飼い主の顔や口周りの匂いに反応して舐めていることもあります。



女性の飼い主さんの中には、「化粧をしない」「香りの強いシャンプーを使わない」「柔軟剤を使わない」など、愛犬の健康を考えて対策されている方も多いです。
寝言やいびきの秘密
犬も人間と同じように、寝言を言ったりいびきをかいたりします。
- 寝言
寝言は、犬が夢を見ている時に見られることが多いです。
人間と同じように、その日の出来事を整理したり、脳の疲れを回復させていると考えられています。
足をピクピクさせたり、吠えるような声を出すのは、夢の中で走ったり、何かを追いかけているのかもしれません。 - いびき
いびきは、喉の筋肉が緩んだり、気道が狭くなったりすることで起こります。
肥満やアレルギー、気道に問題がある場合など、様々な理由でいびきをかくことがあります。
特に短頭種(ブルドッグ、パグなど)は、生まれつき鼻の穴が小さかったり、喉の構造上いびきをかきやすい傾向があります。
これらの行動の背景にある犬たちの本能や心理を知ることで、愛犬との関係がより深まるのではないでしょうか。



いつもと違う、激しい寝言は優しくそっと声をかけてあげて、起こしたほうが良い時もあります。
また、いびきもいつもと違う異常ないびきを感じたら、獣医師に相談してね。
飼い主の帰宅時、何かをくわえてお出迎えする犬の心理
仕事や買い物から家に帰ると、愛犬が目をキラキラさせながらおもちゃや靴下、時には飼い主さんの私物などを口にくわえてお出迎えしてくれる、なんて経験はありませんか?
この可愛らしい行動には、いくつかの理由が考えられます。
- 「嬉しい!」「おかえり!」の表現
これは最も一般的な理由です。
犬にとって飼い主さんの帰宅は、喜びと興奮の瞬間です。
その溢れる感情を、口にくわえたものと一緒に表現しています。
くわえているものがおもちゃであれば「一緒に遊ぼう!」という誘いの場合もあります。 - プレゼント(貢ぎ物)の心理
犬がくわえているものを飼い主さんに差し出すような仕草を見せる場合、それは「プレゼント」の心理が働いていると考えられます。
群れで生活していた頃の名残で、獲物を持ち帰って仲間に分け与えるという本能的な行動が、飼い主さんに対する「貢ぎ物」として現れているのです。
特に、自分が気に入っているものや、飼い主さんが褒めてくれることを知っているものをくわえてくることが多いでしょう。 - 興奮のコントロール
喜びすぎてどうしていいか分からなくなり、何かを口にくわえることで興奮を落ち着かせようとしている場合もあります。
これは、興奮時に自分の尻尾を追いかけたり、ぐるぐる回ったりする行動にも似ています。
口にくわえることで、高ぶった気持ちを発散させ、冷静さを保とうとする自己抑制の行動とも言えます。 - 注目を集めたい
飼い主さんが帰宅すると、犬は「僕を見て!」「私にかまって!」と注目してほしい気持ちでいっぱいです。
何かをくわえることで、飼い主さんの意識を自分に向けさせようとしている場合もあります。
過去にその行動で褒められたり、構ってもらえたりした経験がある犬は、この行動を繰り返す傾向があります。



support of smileで犬の相談をされたお客様の中に、帰宅したら「ウ◯チ」を銜えて持ってくるという相談もありました
(筆者宅でも昔飼っていたMダックスが同じことをしていました)
このように、飼い主さんが帰宅した時に何かをくわえて出迎える犬の行動は、単なる癖ではなく、彼らの愛情、喜び、そして社会性を示す深い心理が隠されています。
愛犬が何かを持ってきてくれたら、ぜひたくさん褒めてあげてください。と言いたいですが、さすがに💩は・・・😂
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