【ご注意】会員様外での緊急処置相談は営業時間内¥3,500、時間外は¥5,000となります。
PR
スポンサーリンク
ブログ

小さな命

台風、ミサイルなど世間が騒がしく不安な日々になっておりますが、笑顔を忘れたくないと
感じる今日この頃。飼い主様&愛犬と共にいかがお過ごしでしょうか

今日はsupport of smileで扱った事例をお話致します。

【事例1】2年前、山のふもとで、外で飼われていたワンコ。メス、避妊なし。当時7歳。
お腹が膨らみ始めて、緑色の液体を排泄したということで連絡を受けました。

お腹を触ると、何かが潰れるような感覚があるものの、本人は嫌がって暴れることもなく・・・
その他にも予防がされていなかったため、ノミ・マダニの大量寄生もあり、フィラリアも可能性が
高いと感じ、妊娠の可能性もあったので、すぐさま病院へ連れて行くようお願いしました。

レントゲンを撮って発覚したのは「妊娠」ですが、1頭以外は全頭お腹の中で死んでいたので
母犬が自力出産出来ていなかったのです。もちろん緊急に処置がいる状態でした。
心配していたフィラリア症もあり、ノミ、マダニの寄生による貧血があるため
緊急手術がいるものの、とりあえず寄生を駆除してからになるので応急処置しかできません。
無事に手術も成功し、危機を乗り越えたワンコ。フィラリア症があり、心臓に負担をかけない
生活を強いられましたが、今は元気いっぱいで予防もしてもらい家の中で暮らしています。

*この子はこれが初めての妊娠ではなく、2回目でした。1回目は中絶。オスの野良犬対策に
小屋の回りに柵を設置していましたが、意味のない柵でした。

【事例2】今年9月、メスの愛猫が野良猫の子を出産。
こちらは考えられる可能性をお話させていただいただけの案件でありますが・・・
生まれた子猫の体温が下がっていき、食欲がないと連絡を受けました。

子猫が低体温になる可能性が一番高い病気は、急性腎不全がかなりの確率を占めています。
内臓関連は正直かなりの医療費がかかります。残念ながら病院へ連れていけない方も多いかと・・・
腎不全と仮定して、輸血で10万前後、血清で20~30万前後(猫の場合)、それも1回です。
数回行いますので、金額×回数です。それでも助かる可能性は50%・・・
試してみないと、生き延びるか、数日後亡くなるか、わからないという状態です。

どちらにしても、避妊をしていない飼い主様に責任があります。
事例1のワンコは一度目の中絶の時、知識がなかったため、避妊手術をしませんでした。
獣医師は飼い主様から言い出さない限り、勝手に手術をしません!
知らなかったとはいえ、小さな命を殺したのは飼い主様です。

生んだら貰い手を探せば良いと簡単に考えていませんか?
相手が野良だと、母体共々、野良が持つ病気も感染することがあるのです。

可愛いからだけでなく、生まれた子を最後まで全頭面倒を見る覚悟でいてください。
ましてや、故意的な番(つがい)飼いで出産をさせる前に、遺伝子疾患等を調べていますか?
ブリーダーでなくとも、これは出産をさせる側の義務だと思います。
不健康で遺伝子疾患を持った子を人に託して「最後まで面倒見てね」など、ただの責任転嫁です。
「愛情」だけでなく「責任」を持ってください。

辛口にはなっていますが、死ぬために造られる命があってはいけないと思います。
野良犬を保護するのは苦難の業ですが、飼われている愛犬愛猫は違います。
飼い主様がきちんと命を考え、避妊や去勢をすることで不幸を減少させることができます。

「自然のままで」と仰る方がいますが、発情のストレスがなくなり精神的にも落ち着きます。
今一度、考えてみてください。また回りに避妊、去勢をされていない飼い主様がいらっしゃいましたら
したほうがいいよと声をかけてあげてください。小さな命を守る為に宜しくお願いいたします。

タイトルとURLをコピーしました