
「犬の特性」って何ですか?うちの愛犬の特性がわからない・・・



「特性」とは、持っている性質や特徴を指す言葉です。



mix(雑種)犬を飼っている人は、遺伝子検査をしてみると特性がわかるので、おススメですよ。


愛犬の特性をより深く理解するための羅針盤となる『犬種10グループ分類』についてご紹介します。
犬種10グループ分類とは?なぜ知るべきなのでしょうか?
犬種10グループ分類は、国際畜犬連盟(FCI:Federation Cynologique Internationale。世界的な犬種登録機関であり、国際的な犬種標準を定めています。本拠地はベルギー)が定めた、犬種をその起源や用途、身体的特徴に基づいて10のグループに分類する世界的な基準です。
この分類を知ることは、単なる知識ではありません。
それは、愛犬の『本能的なニーズ』(犬が生まれつき持っている行動欲求や、その犬種特有の欲求)を理解し、彼らが本当に求めているものを与えるための鍵となります。
愛犬の個性は、決してわがままなのではありません。
彼らのDNAに刻まれた『犬種の本能』なのです。
この知識があれば、従来の『ダメ!』というだけのしつけではなく、愛犬の特性を活かしたポジティブなトレーニングへとシフトできます。
各グループの特徴と愛犬との最高の絆を築くヒント
ここでは、犬種10グループ分類における各グループの代表的な特徴と、それに基づいた愛犬との関わり方のヒントをご紹介します。
第1グループ:牧羊犬・牧畜犬


- 特徴
非常に賢く、指示を理解し、実行する能力に優れています。
群れをまとめる本能が強く、作業意欲が高いです。
ボーダーコリーやシェットランド・シープドッグなどが含まれます。 - しつけ・共生のヒント
身体的な運動だけでなく、アジリティやオビディエンスなど、頭を使う知的な活動を積極的に取り入れましょう。彼らの「働きたい」という欲求を満たすことで、満足度が向上し、問題行動の軽減にも繋がります。
第2グループ:使役犬


- 特徴
力強く、忠実で、護衛や使役(人間を助ける作業)の役割を担ってきた犬種です。
ローデシアン・リッジバックやドーベルマン、セント・バーナードなどが該当します。
独立心が強く、勇敢なタイプもいます。 - しつけ・共生のヒント
幼い頃からの徹底した社会化(犬が様々な人、犬、環境に慣れること)と、一貫性のあるリーダーシップが不可欠です。
彼らの力をポジティブな方向へ導くための、しっかりとしたトレーニングを行いましょう。
第3グループ:テリア


- 特徴
穴を掘って獲物を追うために改良された犬種で、独立心が強く、非常に活発です。
勇敢で好奇心旺盛、興奮しやすい傾向があります。
ジャック・ラッセル・テリアやミニチュア・シュナウザーなどが代表的です。 - しつけ・共生のヒント
豊富な運動量と、遊びを通じた知的な刺激が重要です。
頑固な一面もありますが、ポジティブな強化と根気強いトレーニングで、素晴らしいパートナーとなります。
穴掘り欲求には、専用の場所を設けるなどの工夫も有効です。
第4グループ:ダックスフンド


- 特徴
細長い胴体と短い足が特徴で、アナグマなどの巣穴に入り込むために作られました。
勇敢で執念深く、時に頑固な一面もあります。
嗅覚に優れ、獲物追跡に熱心です。 - しつけ・共生のヒント
猟犬としての本能を満たすために、嗅覚を使ったゲームや探索活動を取り入れると良いでしょう。
吠えやすい傾向もあるため、早期からのしつけと適切な社会化が大切です。
第5グループ:スピッツ&プリミティブタイプ


- 特徴
原始的な犬種に近く、自立心が強く、時にクールな一面を持つことがあります。
ポメラニアン、柴犬、シベリアン・ハスキーなどが含まれます。
寒さに強い被毛を持つ犬種が多いです。 - しつけ・共生のヒント
独立心が強いため、しつけには根気と理解が必要です。
彼らが自ら選択できる機会を与えるなど、肯定的な関係を築くことが大切です。
特にハスキーなどは多くの運動量が必要です。
第6グループ:嗅覚ハウンド


- 特徴
卓越した嗅覚で獲物の匂いを追跡する犬種です。
ビーグルやバセット・ハウンドなどが含まれます。
一度匂いを追跡し始めると、周りの声が届かなくなるほど集中することがあります。 - しつけ・共生のヒント
嗅覚を使ったノーズワークや探索ゲームは彼らの本能を満たし、喜びをもたらします。
散歩中は魅力的な匂いに引きずられることがあるため、リードトレーニングが特に重要になります。
第7グループ:ポインター&セッター


- 特徴
鳥猟犬として、獲物を見つけるとポイント(獲物の方向を指し示すような姿勢)をとるのが特徴です。
イングリッシュ・ポインターやアイリッシュ・セッターなどが代表的です。
体力があり、広々とした場所での運動を好みます。 - しつけ・共生のヒント
豊富な運動量と、広い場所での活動が不可欠です。
レトリーブ(取ってくる)遊びや、フィールドでの探索活動は彼らの喜びとなります。
非常にエネルギッシュなので、運動不足はストレスの原因になります。
第8グループ:レトリーバー&スパニエル&ウォータードッグ


- 特徴
獲物を回収(レトリーブ)する能力に優れ、水辺での作業も得意な犬種が多いです。
ゴールデン・レトリバー、ラブラドール・レトリバー、コッカー・スパニエルなどが含まれます。
非常に友好的で、人間との協調性が高いです。 - しつけ・共生のヒント
人との活動を喜び、トレーニングにも意欲的です。
水遊びや物を咥えてくる遊び、ドッグスポーツなどを取り入れると、彼らの満足度が飛躍的に高まります。
社会化がしやすく、初心者にも飼いやすいグループと言えます。
第9グループ:愛玩犬


- 特徴
主に人間の伴侶として、抱き犬として愛されてきた小型犬種です。
チワワ、トイ・プードル、パピヨンなどが含まれます。
体が小さく、室内での生活に適している犬種が多いです。 - しつけ・共生のヒント
人との密なコミュニケーションを喜びます。
サイズが小さくても、適切な社会化と基本のしつけは非常に重要です。
無駄吠えや分離不安を防ぐため、子犬のうちから様々な経験をさせましょう。
第10グループ:サイトハウンド


- 特徴
優れた視覚で獲物を追い、高速で走る能力に特化した犬種です。
グレイハウンド、アフガン・ハウンドなどが含まれます。
細身で優雅な体型が特徴で、走ることが大好きです。 - しつけ・共生のヒント
広々とした安全な場所での自由な走りが彼らの幸福に繋がります。
小動物を追いかける本能が強いため、散歩中のリードコントロールや、フェンスで囲まれた場所での遊びが不可欠です。
穏やかで優しい性格の犬も多いです。
【雑学】大きさの分類について
犬種10グループ分類は、国際畜犬連盟が定めていますが、犬種別に見る大きさの基準や、小型犬・中型犬・大型犬で分けられている体重については、明確な基準はありません。
日本ではジャパンケネルクラブが有名で、一番大きな畜犬団体ですが、犬種によるサイズや体重の明確な基準を設定していても、小型犬・中型犬・大型犬という分類はされていません。
一般的に、小型犬10kg未満、中型犬10kg~25 kg未満、大型犬25kg~40kg未満とされている程度です。



畜犬団体は血統書を持っている犬が対象(種の保存もあるため)なので、小型、中型という話は関係ないともいえますね。
主な畜犬団体(JKC以外)
- 日本犬保存会
- 日本原産の6犬種(柴犬、秋田犬、紀州犬、甲斐犬、四国犬、北海道犬)の保存と改良を目的としています。
- 血統書の発行や展覧会の開催を行っています。
- 秋田犬保存会
- 天然記念物である秋田犬の保存を目的とした団体です。
- 秋田犬の血統登録や品評会の開催を行っています。
- 日本警察犬協会
- 警察犬の育成と普及を目的としています。
- 警察犬として活躍する犬種(シェパード、ドーベルマン、ゴールデン・レトリーバーなど)の血統登録や訓練競技会の開催を行っています。
- 日本社会福祉愛犬協会 (KCJ)
- 「愛犬家の社会福祉への貢献」を理念としており、愛犬の登録やしつけ教室、競技会などを通して、人と犬がより良い関係を築くことを目指しています。
愛犬との絆を深めるための、この知識の価値
犬種10グループ分類は、あなたの愛犬を深く理解するための最高のツールです。
この知識は、愛犬の『なぜ?』を納得に変え、彼らの行動の背景にある理由を教えてくれます。
そして、その理由を理解することで、無理なく、そして愛犬の特性を最大限に活かしたトレーニングや遊びを提供できるようになります。
愛犬との毎日が、より豊かで、幸せなものになることを心から願っています。
彼らの本能を受け入れ、共に成長する喜びをぜひ体験してください。
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