SNS疲れの正体は「社会的比較」比べる心から抜け出す3つの視点

スマホを閉じた瞬間、なんとも言えない疲労感に襲われたことはありませんか?
友人の楽しそうな旅行写真、同僚の昇進報告、キラキラした暮らしぶり。
見ているだけなのに、なぜか心がすり減っていく。
その正体不明の「SNS疲れ」、実は多くの場合「社会的比較」という、とても人間らしい心理のはたらきによって引き起こされています。
今日はこのメカニズムを一緒にひもといて、比べグセから抜け出すための視点を探っていきたいと思います。

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SNS疲れの正体は「社会的比較」という心理現象

社会的比較とは、心理学者レオン・フェスティンガーが提唱した理論で、人は自分の能力や価値を正確に把握するために、無意識のうちに他人と自分を比べてしまうという、ごく自然な心理的プロセスのことを指します。

つまり、比べてしまうこと自体はあなたの意志が弱いからでも、性格が卑屈だからでもありません。
人間の脳にもともと備わった、いわば標準機能なのです。

ただ、SNSという環境がこの機能を過剰に働かせてしまうことが問題なんですね。
次々に流れてくる他人の「ハイライトシーン」を浴び続けることで、比較のスイッチが休む間もなくオンになり続けてしまう状態、これがSNS疲れの正体だと考えられています。

「比べてしまう」心のメカニズムを覗いてみると

上方比較と下方比較、ふたつの方向性

社会的比較には大きく分けて二つの方向があります。
自分より優れていると感じる相手と比べる「上方比較」は、目標設定や成長のきっかけになる一方、SNSでは友人の成功体験やインフルエンサーの華やかな生活といった、意図せず目に入る情報によって自己評価の低下や嫉妬心につながりやすいと言われています。
逆に自分より劣っていると感じる相手と比べる「下方比較」は、一時的に自己肯定感を高める効果があるとされますが、これも根本的な解決にはならないことが多いようです。

身近な人の成功ほど、なぜか苦しい

心理学者エイブラハム・テッサーが提唱した「自己評価維持モデル(他者の成功や失敗が自分の自己評価にどう影響するかを説明する理論)」によると、心理的な距離が近い相手ほど、その人の成功が自分の評価を脅かしやすいのだそうです。

だから、赤の他人のセレブより、同級生や同僚の投稿のほうが妙に胸がざわつく、なんてこと、身に覚えがある方も多いのではないでしょうか。

これに加えて「取り残される不安」を意味するFOMO(フィアー・オブ・ミッシング・アウト、見逃し不安)も比較感情を強めるスパイスになっていると考えられています。

なぜSNSはここまで比較を加速させるのか

ある調査では、SNS利用者の6〜7割が「情報が多くて疲れる」と回答しており、この疲労感は利用頻度の多さに関わらず共通してみられる特徴だと報告されています。
また海外の研究では、幸福感が高い人ほど比較をあまりせず、逆に比較を繰り返す人ほどSNS疲れを感じやすい傾向が示されたそうです。
SNSに映るのは他人の人生のごく一部、しかも一番輝いている瞬間だけ。
それを自分の日常の平均点と無意識に比べてしまうのですから、苦しくなるのも無理はありません。
正直なところ、私自身も「いいね」の数を何度も確認して、勝手に落ち込んだ経験があります。
頭では分かっていても、感情がついてこないことって、ありますよね。

比較沼から抜け出すための3つの視点

視点1:比較の相手を「過去の自分」に変える

他人ではなく、半年前や一年前の自分と今を比べてみる。
これだけで、比較が「他人軸」から「自分軸」に切り替わります。
最初はぎこちなく感じるかもしれませんが、日記やメモに小さな変化を書き留めていくと、少しずつ実感が湧いてくるはずです。

視点2:「見ない時間」を意図的につくる

ミュート機能やアプリの利用時間制限を使って、物理的に情報の流入を減らす方法です。
ただし、これは万能ではありません。
私も一時期ミュートしまくったところ、今度は「置いていかれているのでは」という不安のほうが強くなってしまったことがあります。
大事なのは完全に断つことではなく、自分にとって心地よい距離感を探ることだと思います。

視点3:下方比較に頼らず、自分だけの評価基準を持つ

誰かを下に見て安心する方法は、長続きしません。
それよりも「今日、自分は何をやり遂げたか」「何に感謝できたか」を、他人と関係なく自分の中で確認する習慣をつくることが、根本的な安心感につながっていきます。
これは一朝一夕には身につきませんが、続けるうちに他人の投稿を見ても心がザワつきにくくなった、という声もよく聞きます。

比べてしまう自分を、まずは責めないでほしい

社会的比較は人間の自然な機能であり、SNSという環境がそれを増幅させているだけ。
だからこそ、比べてしまう自分を責める必要はまったくありません。
大切なのは、比較の存在に気づき、少しずつ視点をずらしていくことです。
今日紹介した3つの視点のうち、どれか一つでも「試してみようかな」と思えるものがあれば、それだけで十分な一歩だと思います。
もし疲れが長引いて日常生活にまで影響が出ているようなら、一人で抱え込まず、カウンセラーなど専門家に話してみることもぜひ選択肢に入れてみてくださいね。

最後までお読みいただき、ありがとうございます。

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